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SEKAI NO OWARI

 先日、読み終わった本。
幼い頃にトラックに跳ねられ臨死体験をした主人公・史生は、高校時代にノストラダムスの大予言ブームを経験し、彼と友人達は少なからぬ影響を受ける。
仁志はどうせ死ぬならと、自分の好きなことだけをやろうと心に決め、やがてイタリアへ料理修行へ旅立つ。
自殺未遂をした恵津子は、意外な職業に就き、鶴文は意外なところで史生の人生に関わってきた。
 SFでもなく、ミステリーでもない、平凡な人生を送る主人公の半生を描いた小説。
ただラストがとても意味深。
以下、ネタバレ。

紆余曲折はあったものの、2011年3月9日に四人は、故郷で再会する。
1999年を乗り越え、生きていて良かったと言い合う四人。
マヤ文明が2012年に人類が滅亡すると予言していると茶化す仁志。
そして三人と別れ、妻と娘が待つ今の住処へ帰るため史生は東北新幹線に乗り込んだと言うところで終わっている。
そう、東北大震災の2日前である。
仁志は阪神大震災で店を失った経験があったが、生き延びた。
史生たちはどうなるんだろうか。
 この小説を読んでいると、非常に主人公達に共感出来る。
近い世代だし、ノストラダムスブームも経験したしな。
俺は臨死体験こそないものの、小さい頃は酷い喘息持ちで、苦しくて苦しくてこのまま死んでしまうのではと何度も思ったことがあるため、結構、死に対するスタンスは彼らと近いかもしれない。
 もうひとつ、俺の生死感に強い影響を与えたものがある。
NHKのラジオドラマ『火の鳥 未来編』である。
沢たまきさんの歌っていた主題歌の歌詞がなんとも言えず虚無感を醸し出していた。

生きてください あなた
やがて死ぬのですから
束の間に命を陽炎のように

うろ覚えだが、こんな感じの歌詞だったと思う。
 1999も2012も無事に終わったが、今も南海トラフだの何だのと、死をちらつかされているので、やはりペシミスティックな気分は無くならない。

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